そうりょうのじんろく­

昔、家族でカルタをしている時に、どうも気に入らない一枚だったのが、これ。そうりょうのじんろくの意味はって言うと・・・

そうりょう(総領)とは、長男や長女のこと。

じんろく(甚六)とは、良く言えばお人好し、悪い言えばのろま、ボケのたぐい。

と、言うことで『総領の甚六(そうりょうのじんろく)』とは、二男、二女などに比べ、長男、長女は気が良くておっとりしているタイプが多いという、誉めているのか、バカにしているのかよくわからないが、多分長男長女を小馬鹿にして言うことわざである。

『ちぇっ!! こんな言葉がことわざかよ!』

と、思うオイラはご想像の通り長男なのだが、残念ながら、この言葉は、ことわざとして存続するだけあって的を得ている訳である。オイラにも『総領の甚六』的部分があったことは否定できないわけだ。しかし、カルタをやっている最中に、オイラがボケッとしていて母親や弟に取られたりすると、自分も長男のくせに親父が「そうりょうのじんろくかな・・・」などととぼけた顔してぬかすのは、とてもいまいましかった。

で、何が言いたいかと言うと、ここからが実は本題で、うちのお兄ちゃんのこと。

チビ助よりは3つ年上のお兄ちゃんだが、すっかりと『総領の甚六』ぶりを発揮する典型的な長男。今朝、オイラが目を覚ました時に奴はクラブ活動に行くために、出かけようとしているところだった。「いってらっしゃい」くらい言わなくてはと、寝起きのオイラが窓から顔を出して様子をうかがうと、どうも奴が乗っていくはずの自転車が見当たらない。「自転車どこにあるんだ?」と聞くと、普通の顔して「あるよ」と答えるので、あるのかと思ってさらに様子を見ていたが、奴はぼーっと立ち尽くしたままである。「おい、どうした?自転車どこ置いたんだ?」と聞いてようやくおかしいことに気がついた様子。しばらくその場に立ち尽くし、オイラの心中で、心配がだんだんイライラや怒りに変わりそうになった頃、「あっ!」と何かに気づいたようなので、どうしたのかと聞いてみると、昨日お使いを頼まれて近所のスーパーに乗って行ってそのまま自転車をスーパーに置き去りにして歩いて帰ってきたのだという。そのスーパーは我が家から長い下り坂を下り切った場所にあるので、普通の人は、帰りにいくらかでも楽になるように自転車に乗っていく場所なのだが、奴は能天気にも乗っていった自転車を置き去りにしたまま、自転車に乗ってきたことすら忘れ、荷物を手にぶら下げて帰ってきたのだろう。おおかた途中の家の庭にとまった鳥を観察したり、もしかしたらカブトムシでも飛んではいないかとキョロキョロして帰ってきたに違いない。自転車は行きに、下り坂を爽快に下り切った時点で奴の精神的な充足感を満たしたのだろう。まあ、我が子ながらなかなかの間抜けぶりだ。

「あっ!」っと言って自転車のありかを思い出したあとも「どうしたんだ??」と、声を掛けたくなくくらいボーっとその場にたちつくした後、一応、困った顔をしながら「行って来ます!」と運動神経悪そうな走りっぷりで出掛けて行ったうちのお兄ちゃんを見て、久々に『総領の甚六(そうりょうのじんろく)』という言葉と、家族でやったカルタのことを思い出した今朝でありました。

朝から疲れました・・・。

  
  

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